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自動車保険からのセレクト!

H社は商業車の経験が少ない。 ミニヴァンのもうひとつの課題は、テールゲートをどうするかだ。
上下に分割式にするか、それとも1枚でハネ上げるか、あるいは横開きにするか等アイディアはいろいろある。 ステップワゴンのように、屋根にヒンジをつけてハネ上げる方式は、後ずさりしながら開けなければならず、気をつけないとアゴをガッンと打ってしまう。

その点、私は分割のほうがいいと思うが、分割はガタが出やすいという難点がある。 ただ、リアのフロアに何もなくて荷物の積み降ろしができるのが便利と考える人もいるし、そこを台代わりにして使うのがいいという人もある。
その点、ハネ上げ式にも理由はある。 そのあたりがこの種のミニヴァンの考えどころだ。
しかし、ステップワゴンはそのあたりをよく考えられたように見えない。 いかにもH社的な軽いノリでつくられている。
率直に言って、ステップワゴンはミニヴァンとしての考察と煮詰めが足りない。 また、ボディ剛性が不十分だ。
とりあえずRVの流行に乗って、パッとつくり、パッと売ってしまおうというH社の魂胆が見え見えだ。 いかにもH社らしい、あざとさが見えるクルマである。
これはH社だけにかぎらないのだが、多くのメーカーは、ジャーナリストの乗る広報車に特別なチューンをほどこしている。 エンジンはもちろん、ボディなど、各部をしっかり増し締めして、がっちり組み立て、仕上げ直すのである。

一度組み立てたものをいったんバラして、もう一度組み立て直すわけだから、ものすごく手間とお金がかかる。 一説には1台当たり数千万円というお金がかけられるという。
私のようなモータージャーナリストは、新車というと、ユーザーから借りないかぎり、広報車でしか触れる機会がない。 ああ、そうだったのかと思って、私は少しがっかりした。
ちなみにこの広報チューン、かつては外国車メーカーも盛んにやったものだが、最近では、バカバカしいということで、ほとんどやらなくなっている。 日本ではT社、N社もほとんどやらないという。
その代わりT社の場合は、いったん貸し出した広報車は、返却されてから徹底的に整備する。 そして所定のチェックを終えてから、ふたたび貸し出すという。
この広報チューンが大好きなのはH社で、スポーティカーはとくに要注意だ。 エンジンなど、市販のモデルよりはるかにパワーが出るようになっているという話すら聞く。
それはともかく、オデッセイのいいところは、室内寸法がアコードのフロアパネルを使ってつくられた、H社のミニヴァン。 発売と同時に大ヒットとなり、昨今のRVブームの火付け役となったクルマである。
私は2年前、オデッセイに試乗して、一度で気に入ってしまった。 まず、運転感覚がほとんど乗用車と変わりないこと、そして、その静かさ、スムーズさに参ったのだ。
そこで私は、このクルマを多くの知人にすすめたのだが、最近、オデッセイを買ったユーザーに、調子はどうだと聞いてみると、なぜかあまり芳しい答えが返ってこない。 みな口をそろえて「Tさんの言うほどにはよくないよ」というのだ。
雑誌「ベストカー」では、オデッセイを1年以上使っているが、同誌の編集者のU氏に聞いてみると、「そんなに静かでもないし、乗り心地がよくもないですね」という。 U氏はクルマの専門家だから、乗れば私と同じ程度にはクルマのことはわかる。
これはおかしい。 そこで私は、はたと気がついた。

私が乗ったオデッセイは、おそらく業界用語でいう広報チューンというヤシだったのではないか。 私は雑誌「NAVI」の消費者派隊で、オデッセイに乗って湯沢まで行ったのだが、さてはこのとき広いうえに、それをきわめて合理的に使っていることだ。
また、このクルマはスタイルがいい。 全長4750m全幅1790全高1675m、ホイールベース2830mという、このクルマのディメンションは、長さ、幅、高さのバランスがいいのである。
オデッセイが走っているところを見ると、なかなかカッコいいなと思う。 オデッセイのチーフエンジニアは、とても頑固な人で、H社得意のV‐TECエンジンをどうしても使おうとしなかったという。
社長がV‐TECを使うように言っても、絶対に首を縦に振らず、あえて輸出用アコードのロングストロークエンジンを使ったそうだ。 といっても、やはりH社のエンジンらしく、他社のエンジンほどには低中速トルクは太くはない。
これはオデッセイにかぎらず、日本のミニヴァン全体に言えることだが、回転対座シートなるものは、早くやめたほうがいい。 あんなものをわざわざ使うユーザーがあるとは考えられない。
観光バスではあるまいし、後席でさしつさされつの宴会をやらかされるほど、運転しているドライバーとして不愉快なことはないのである。 重い荷物を積むためである。
荷物を多く積むクルマはFFではダメで、どうしても後輪駆動でないとトラクションが得られない。 しかし、そうたいした荷物を積むでもない、乗用車のハズのボンゴ・フレンディが、なぜ、キャブオーバーレイアウトなのか。
ボンゴ・フレンディはこのレイアウトのおかげで、エンジンがやたらうるさく、ヴァイブレーションは強く、いかにも乗り心地の悪いクルマだ。 このクルマで高速道路を帥走ると、うるさくて隣席との会話などほとんど不可能に近い。
しかも、その構造上、どうしても運転席のシートが薄くなってしまうから、これまた乗り心地を悪くする。 私はこのクルマを東名高速で1時間足らず乗ったことがあるが、乗っていてすぐに尻が痛くなったことを覚えている。

ボンゴ・フレンディはスライドドアで、ガラスがはめ殺しとなっており、これもイヤなところだ。 ドライバーが運転席の窓でも開けようものなら、風をまきこんで最悪だ。
ボンゴ・フレンディはしょせんトラックシャシーのうえに、1ボックスボディをかぶせただけのクルマである。 ミニヴァンを選ぼうというなら、ほかにいくらでもチョイスはある。
率直に言ってパスすべきクルマだ。 商業車のボンゴをベースにつくられたM社の国内向けミニヴァン・屋根が開いて、そこに人が寝られますよというオートフリートップなるしかけで人気を得た。
まあ、いかに屋根が開こうが何をしようが、しょせんこのクルマはベースが商業車だ。 乗り心地も悪ければ、使い勝手もよろしくない。
どう細工してもダメなものはダメというクルマである。 スライドドア式の1ボックスワゴンである。
一見、エンジンがフロントにあるように見えるが、じつはボンゴ・フレンディはキャブオーバー型で、そのエンジンは運転席の下に鎮座ましましている。 フロントに少しノーズを付けたのは衝突安全のためか、それとも現代風のミニヴァンに見せるため、カッコをつけただけなのか。
いずれにせよ、このクルマが商業車的な、キャブオーバーレイアウトのクルマであることに変わりはない。 V6はトルクが太く、かつ静かで使いやすいエンジンだ。

あとから、2.54の4気筒エンジンが加えられた。 M社は本来、2.54のV6を持っているが、これを使わなかったのは、安い価格をつけるためだろう。
MPVはミニヴァンとして、高級な乗り味を持っている。 それはこのクルマが後輪駆動のため、ごく素直な運転感覚をもっているからだ。
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